新しくなったFuture Shock 3.0のここがすごい

新しくなったFuture Shock 3.0のここがすごい

スペシャライズドのロードバイク用サスペンションシステム Future Shock(フューチャーショック)をご存知ですか。
Roubaix SL8やCreo2に搭載されているトラベル量20mmのサスペンションです。
まずはその動きを動画でご覧ください。

2017年の登場以降進化を重ね続け、ついに第3世代となったFuture Shock3.0はライダーに合わせたチューニングの自由度や耐久性も史上最高。

たった20mmと侮るべからず。このサスペンションシステムがさらに快適なライドへ誘います。


Future Shock(フューチャーショック)とは

初代Future Shockの内部構造

ヘッドチューブ内に設けられた最大20mmストロークのサスペンションで、「快適性」はもとより荒れたアスファルトの路面や石畳といった悪路でも「スピード」を追求するために開発されたサスペンションシステムです。

このFuture Shockが機能することよって路面の細かな凹凸からライダーを切り離し、長距離・長時間ライドでも快適な乗り心地を実現しています。
ただ快適なだけではなく、長い下りをはじめとしたスピードの出る場所でも路面にしっかりタイヤが接地するので、バイクの安定感と操作性も向上します。

そしてサスペンションカートリッジの重量はたったの200g程度と軽量。重量の増加は最低限に抑えられており、軽快で快適なライドを楽しめます。


Future Shockの歴史

ロードレースが好きなら誰でも知っている伝説的な春のクラシックレース Paris-Roubaix (パリ-ルーベ)
北の地獄の異名を持つこのレースは、日本に住んでいては考えられないような大きさの石畳が敷かれたコースを走ります。

あまりの過酷さにマウンテンバイクのサスペンションフォークを取り付けたり、厚手のバーテープを二重巻きにし、このレース専用に特注のワンオフバイクを作成するほど。
恐ろしいほど強烈な振動が選手を苦しめる、文字通り地獄のようなレースです。

そして、まさにこのパリ-ルーベで勝利するために開発されたのがFuture Shockです。

快適性を求め、重量は増やさず、スムースな走りで速さを追求した結果、2018年にはFuture Shockを採用したRoubaixでペテル・サガン選手が、翌年2019年にはフィリップ・ジルベール選手がパリ-ルーベを制覇しました。

過去にサスペンションを搭載しパリ-ルーベに挑んだロードバイクは星の数ほどありますが、継続して採用され結果を出し続けているのはこのFuture Shockだけです。

Future Shockには勝利のDNAが深く刻まれています。

最新のCreo2にも搭載

そして現在ではその快適性とスムースさを買われて、ロードバイクのみならずグラベルロードバイクのDivergeやe-bikeのCreoにも搭載されています。
Future Shockはオンロードオフロード問わず、快適に速く走るために欠かせない機構の一つとなりました。


Future Shock 3.0はどう進化したか

ロードバイクライドを快適にするFuture Shock。第3世代に進化し、ライダーの体型や乗り方に応じたサスペンションの調整がさらに細やかに設定可能になりました。

その鍵をにぎるのは”油圧ダンパー”と、”プログレッシブスプリング”です。

Future Shock 3.0 の付属パーツ

先代のFuture Shock 2.0にも搭載されていた油圧ダンパーでコンプレッションの調整が、カートリッジに封入されるスプリングによってリバウンドの調整がそれぞれ可能になりました。
ロードバイクではあまり聞き馴染みのない言葉ですが、マウンテンバイクライダーの方には馴染みのある単語でしょう。

詳しくは割愛しますが、
コンプレッション:路面の凹凸からの衝撃を吸収した際にサスペンションが縮むスピード
リバウンド:サスペンションが衝撃を吸収した際に元のフルトラベル状態にどれだけで戻るかのスピード

ダイヤルでコンプレッションスピードの調整が可能
プログレッシブスプリングとプリロードワッシャーでリバウンドの調節が可能

これら二つををライダーの体型や、ライドの目的に合わせてセッティングすることでより快適なライドを行えます。
そして、付属の赤いプリロードワッシャーを加えることで動き出しにかかる初期の入力量を調整することが可能となり、さらに細やかなサスペンションの設定が可能です。

新しくなったFuture Shockはこれらのセッティングによって、20mmトラベルのサスペンションを余すことなく有効に使えるようになり、誰もが望む自由なライドを可能にします。

そしてサスペンションの性能が向上しただけではありません。
サスペンション内部に泥や塵が入らないように多くのシールを追加し、ブーツ(Future Shockを覆うゴム部)の厚みも強化され、耐久性も大幅に向上しています。


速くて快適なFuture Shock

過去のレース結果が示している通り、Future Shockは非常に優れた機能です。
確かに日本で石畳のような荒れた道に出くわすことは少ないかもしれませんが、上質なサスペンションが必要ないというわけではありません。

舗装率の高い日本ですが、自転車で走りやすいスポットへ行くとアスファルトがひび割れていたり、突然の砂利道に遭遇することもあります。そのような場所を走る際でもFuture Shockが機能し、路面に十分なトラクションを生み出すことで安定して疲れにくいライドが可能です。

疲れにくくバイクの安定性がアップすれば、どんなライダーでも自信を持ってライドできます。

快適に速く走りたいのはスポーツバイクに乗る人全員が抱えている欲望です。「速さ」 と「安心」その内なる欲望を叶えるのがこのFuture Shock3.0です。


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