MTB(マウンテンバイク)のインストラクターやトレイルビルダーとして活動する、スペシャライズドライダー「板垣 奏男(いたがき かなお)」さん。
MTB留学のために2年ほど住んでいたカナダへ久しぶりに行ってきました。今回のMTB旅行を通して、羨ましいほどのトレイル網が広がるカナダの「Kamloops(カムループス)」の様子や海外をLevo SLで走ってみた感想などをお届けします。
目次
自己紹介
普段はインストラクターやトレイルビルダーとして活動をしている板垣 奏男といいます。
サイクルスポーツのYouTubeチャンネルにて、「MTBを始めよう」の企画で講師をしています。
そのほかにも、動画作成を行なったり、細々とメカニックをやったりもしています。
去年の夏からスペシャライズドジャパンからサポートをいただき、活動をしています。
なぜカナダに?
さて、今回、カナダに行ってきました。
もともと、私は2年間カナダに住んでいまして、その時に知り合った友人も多くいます。
そして、とある友人から、「そろそろカナダ来なよ?」と言われ続けてはや何年か。コロナや、自分自身も去年病気を患い、万全な状態ではなかったので行けていませんでした。ただ、病気から回復し、バイクの進化もだいぶ進んだように思ったので、ここでもう一度、MTBの聖地とも言えるカナダに行こうと決心しました。
それに加えて、最後にまたお知らせしますが、動画撮影がメインで行ったので、10日間しっかり撮影をしていました。
自転車乗りから見たカナダ
自転車乗りから見たカナダについて簡単に説明すると、MTBの聖地であり、場所によっては世界レベルのライダーが当たり前のように走っています。マウンテンバイカーのメッカとも言える、ウィスラーを中心にトレイル網が無限とも言える範囲に広がっています。
そのくらいは知っているよ。というMTBライダーの方は多いと思いますが、今回訪れたのはカムループス。ここを知っている人はなかなかコアなMTBファンだと思います。
カムループスってどこ?
私が今回行ってきたカムループス、スペシャライズドのMTBを検討したことがある方なら必ずみたことのある場所です。そう、あのマット・ハンターが生まれ育った土地。
砂煙をあげ、トレイルを駆け抜けていくあの写真、動画。あれがカムループスです。
ドライ、ハイスピード、砂塵を巻き上げながら走れる場所です。加えて、街が運営する無料の巨大なバイクパーク「Bike Ranch(バイクランチ)」があり、MTBライダーの夢のようなトレイルや環境が揃っている街です。
場所としては、西海岸の大都市バンクーバーから車で約4時間。かなり内陸で、山脈に挟まれているとても乾燥して砂漠のような気候です。
今回、行った10日間に熱波が来ており、かなり暑かったですが、夜は乾燥していることもあり、かなり快適でした。
街としては、川を中心とした街で、スーパーや雑貨、病院、バイクショップなどしっかり生活に必要なものは揃っているので、生活するには良い環境かなと。土日にはファーマーズマーケットがあり、かなり活気のある街。ただし、街が結構広いので、車は必須。バスも出ていますが、車があったほうが生活はしやすいのかなと思います。
カムループスのトレイルってどんな場所?
トレイルの特徴としては、ウィスラーと比べると簡単な部類に入るのかなと感じました。ただし、実際に出る速度が段違い。
というのも、ウィスラーの山々はかなり急斜面で、岩の表面を露出させてそこを走るコースが多いので、一度スピードを落とさせるようなトレイルが多い。
それに対し、カムループスの山はゆるい斜面が長く続く場所が多く、かなり心地よい斜度のトレイルが広がります。そのため、スピードを出そうと思えば出しやすいトレイルが多く、さらに聞いた話によると、カナダ人はスピードジャンキーが多いので(あくまで一意見)、そういったトレイルが多いとのこと。
簡単、と言っても、もちろんスピードも出ますし、全体の難易度は高めです。
個人的にはウィスラー (カナダ ブリティッシュコロンビア州)のように、トレイルと対話してセクションをクリアしていくようなトレイルも好きなのですが、カムループスはぶっ飛んで行って、欲しいところにバーム(コーナーを助けるボブスレーの壁のようなセクション)があるので、気持ちよく走れるトレイルが多い印象でした。
日本でも、ふじてんの「馬車道」のようなコーナーが頼れるトレイルが好きなので、かなりカムループスのトレイルに魅せられてしまいました。
Levo SLを持って行って
今回、カナダに行くにあたって、持って行ったバイクはLevo SL。
と言っても、所有しているのは、Levo SLとダートジャンプバイクくらいなので、最近はこればかり乗っていて、どこ行くにもこのバイク。ダウンヒルフィールドからトレイルまで、果てはトレイルを作る時の移動手段、新しいコースのテストにも。
フィールドで会うライダーに本当に万能なバイクと言って回っているほどです。
冒頭で話していた病気というのは、実は脳出血を去年の冬に患い、運動強度の高い状態を維持するのが難しい体になってしまいました。
ペダルバイクを諦めていたところ、このバイクが発表となり、運命のようなものを感じ、乗らせてもらったのが始まりでした。
歩くのもやっとの体が、カナダに行けるまでになった立役者でもあり、思い入れのあるバイク。このLevo SLをカナダへ持っていきました。
ただ、実はe-Bikeを海外へ持っていくのは少し準備が必要です。
Levo SLの内蔵バッテリーは飛行機に乗せられる容量を超えているので、外して置いていき、現地のカナダでとあるライダーに用意してもらいました(答えは次回の記事にて)。
出発前にお店での取り外し、到着後現地での取り付けが面倒ではありますが、カナダのトレイルをLevo SLで走り回れたので、結果としてはそこまで気にはなりませんでした。
また、レンジエクステンダーであれば、飛行機にギリギリ乗せられるサイズ(旅行の際は各航空会社へ要確認)なので、現地でメインバッテリーを入れずに、レンジエクステンダーだけで走行するという運用も可能です。
e-Bike(e-MTB) Levo SL インプレッション
カナダに行く前の日本のトレイル、フィールドを走ったLevo SLのインプレッションは、ただ軽いe-Bikeというだけで無く、モーターやバッテリーの配置が良いので、体重の軽い自分にはe-Bikeの重さがプラスになるほどでした。
サスペンションは体重がある程度あったほうが動きはいいですからね。
本当にe-Bikeとしてはもちろん、MTBとしてもよくできていて、サスペンションが素直に動いてくれるので、ペダルバイクよりも走行ラインが選べるほど。ジャンプやドロップもe-Bike特有の重さによるマイナスは全く感じず、結構な大きさのジャンプまで飛べてしまいます。
そんな印象があった上で、カムループスのトレイルに持って行き、どう感じたか。
正直な話をすると、カムループスのトレイル難易度でe-Bikeを乗りこなせるか不安なところもありました。やはり、ペダルバイクよりは重いですし、何かタイヤが弾かれるなどのイレギュラーがあった時立て直せるのか。など、走るまでは不安がありました。
しかし、実際行ってみて、乗ってみて思ったのは、「やっぱりいいバイクだな」これに限りました。
正直、2日も経ったら、e-Bikeに乗っていることを忘れて、ペダルバイクのように飛んで、下りを楽しんでいました。
行く前までは大きいジャンプを10年近く体験してないので、かなり不安でしたが、それに関しても全く問題なくチャレンジできました。
日本で感じていたLevo SLの万能感、それは間違いでないことを再確認し。
それに加えて、動画撮影やちょっとしたハプニングもあったのですが、「e-Bikeでよかった」と思えるシチュエーションも多かったので、心からいいバイクだなと感じました。
この辺の証拠映像はいっぱいあるのですが、現在編集中の動画作品で使いたいので、とりあえずラインを初チャレンジした時の映像をご覧ください。
Levo SLはこんな人におすすめ
カナダで身をもってLevo SLを体験した上でどんな人におすすめかというと、実のところ、どんな人にもお勧めしたいのが本音です。
あえておすすめしたい人を挙げると、「周りとフィジカルな差を感じ始めた人」です。
自分自身、ペダルを踏んで息を切らしてトレイルの入り口まで行き、気持ちよく下りを楽しむというのが嫌いなわけではありません。
実は、もともとはロード乗りでした。ですが、年齢、病気、怪我などで自転車には乗れるけど、年が離れている、もしくは体力のある人とライドに行くとやっぱり差を感じてしまう人がいると思います。実際、自分もそれを体験した一人です。
そんな体の差を幾ばくか埋めてくれる素晴らしいバイクだと、自分は感じています。
なので、Levo SLはただ登りが楽なMTBと捉えず、「いろんな体験に連れて行ってくれる自転車」として、多くの方に乗ってもらいたいなと思っています。ぜひ、機会があれば、Levo SLを試乗してみてください!
ということで、カナダのカムループスとLevo SLについて書いてきましたが、今回、「East End Crew」というチームを立ち上げ、旅とライドの動画を鋭意作成中です。
Levo SLが飛んで走るシーンもあるのでお楽しみ!
次回は、今話題のGENIEショックについてあのマット・ハンターにインプレッションを聞きました。次回の記事も乞うご期待ください。
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