新しく生まれ変わった Tarmac SL8 を嬬恋高原で試す

新しく生まれ変わった Tarmac SL8 を嬬恋高原で試す

初代Tarmacの登場から20年以上の研究開発を重ね、スペシャライズドのフルカーボンレーシングバイク Tarmac は第8世代へと進化しました。

世界選手権を筆頭にグランツールやクラシックレース、難関山岳ステージからバンチスプリントまであらゆる場面で勝利を重ねた先代 Tarmac SL7。 

軽量性と空力を兼ね備え、名実ともに真のオールラウンドレーシングバイクとして名を馳せた先代SL7から第8世代へと歩みを進めたTarmac SL8(ターマック SL8)はどのように進化したのか。

その答えは全て。

新UCIルールの下開発されたTarmac SL8は新世代のレースバイクとして一才の妥協がありません。

・先代SL7ではわずかに叶わなかったVengeをも凌ぐ最高の空力性能
・UCI規則ギリギリの重量で組み立てられるように設計されたわずか685gのフレーム(56サイズ)
・ライダーのパワーを余さず伝え、最速のラインを切り開くためのボトムブラケットやヘッドチューブ剛性
・路面からの突き上げを減らし、荒れた路面でも快適なライドを行うためのコンプライアンス(縦方向の柔軟性)

空力性能・軽量性・剛性・そしてコンプライアンスのどれにも妥協をせず、すべてを高いレベルで融合させることでTarmac SL8は圧倒的な速さを実現しました。

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このように先代SL7から大きく進化したTarmac SL8。実は一足先に群馬県の嬬恋高原でテストしていました 。

半分近くは路面の所々に大きな凹凸がある勾配の急な林道で、残り半分は平均的な路面状況で高原らしく緩やかなアップダウンの繰り返しだったテストコース。

S-Works Tarmac SL7を発売当時から愛用しているスタッフがTarmac SL8をテストしたファーストインプレッションをお伝えします。

◇◇◇

まず最初に乗ってすぐに感じたのは驚くほど快適性が向上した点です。

前述の通りテストコースの約半分はグラベルバイクで走って遊びたいような凹凸のある道で、借り物のバイクで落車してはいかんと恐る恐る下っていました。
先代SL7だと間違いなく跳ねるだろうと思われる路面でも、Tarmac SL8は跳ねずに非常にスムースでしっかりと路面に追従します。超軽量なフレームであることを思わず忘れてしまいます。

もちろん突き上げを全く感じないわけではありませんが、テストバイクのTarmac SL8は足回りにRapide CLXⅡとRapidAirタイヤ26Cをクリンチャーで使用していることを考えると驚異的な快適性です。
Tarmac SL8はあくまでレーシングバイクであるため快適性としては十二分に備わっています。

さらなる乗り心地を求めるのであれば、28Cや30Cといった幅の広いタイヤへ変える・チューブレスで運用するなどするといいでしょう。

荒れた道を下り終わり、緩やかなアップダウンの続くテストコースのメインどころへ

さぁ本番だとペダルに力を込めた瞬間、気持ちよくバイクが伸びる体験に感動を覚えます。

ケイデンス高めで回しても、ビッグギアで踏み抜いても、どのようなペダリングでもフレームが許容してくれて、そのパワーを余さず推進力に変えてくれます。あっという間にスピードが乗り、ペダリングの感覚よりも速い数字がサイクルコンピューターに表示されました。

SL7も非常によく進むバイクでしたが、ケイデンス高めの円運動を意識した綺麗なペダリングを行うことで初めてバイクの良さを引き出せる、いかにもレーシングバイク然としたフレームでした。

しかしTarmac SL8はダウンチューブ〜BB〜チェンステーにかけてしなやかな印象がありつつ、それでいて十分な剛性を保っているためバイクがペダリングに対して素直に反応します。
フレームの剛性としなやかさが抜群のバランスで調整されていると感じました。

登坂路だとそのバランスを顕著に感じることができます。

もちろん軽量な車体(S-Works Di2完成車で6.62kg)なのでするすると登ってくれるのですが、ゆるゆると登っていればバイクもそれに合わせてくれ、少しペダルに力を込めれば機敏に加速してくれます。

ライダーに寄り添ってくれるような器用さがあり、Tarmac SL8はレースやライドの後半でも間違いなく「脚が残せる」レーシングバイクです。

残念ながら今回のテストコースは長い平坦路を淡々と走るようなパートがなかったため空力や巡航性は十分に試せませんでした。

それでも下りは足を止めていても普段よりも速度が出ていて、危うくブレーキポイントを誤りそうになるほどでした。


Tarmac SL8はロードバイクとして大きく進化を遂げています。

先代SL7も十分に素晴らしいバイクでしたが、長時間乗っていると脚にくる剛性感・ややピーキーな乗り味など、「もう少し変わってくれると付き合いやすいのに」と思ったポイントがあったのも事実です。

それらをブラッシュアップし、レーシングバイクとして全方位に進化したTarmac SL8。

端的に表すと、速くて、軽くて、脚を削られにくく、乗り心地がいい最高のレーシングバイクです。

「One Bike to Rule Them All -すべてを征す1台-」

その名前に違わず、空力性能・軽量性・ライドクオリティーを超高次元で再現したTarmac SL8はほぼ全てのライダーが求めるレーシングバイクの究極系といってもいいかもしれません。


Tarmac SL8のスペシャライズドストア各店舗での展示・販売開始は2023年8月18日(金)を予定しています。

ぜひ、スペシャライズドストアで最新のTarmac SL8をご覧ください。

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