
Tarmac SL9は軽さや乗り心地を追求するために生まれたバイクではありません。
スペシャライズドが目指したのは、スタートからゴールまでを最速で走るレースバイク。
空力性能、軽量性、剛性、そしてライダーの快適性。
それらすべてを高い次元で成立させるため、開発陣は細部にまで徹底してこだわりました。
整備をしているとその執念とも言える作り込みに驚かされることがあります。
今回ご紹介するのはそのひとつです。

フレームを組み立てていると気付くのがフォークコラムの形状です。
完成車の状態では見ることのできない部分ですが、Tarmac SL9 のフォークコラムはわずかにオフセットした構造を採用しています。
スタッフも最初に見たときは驚きました。
ですが、この小さな違いにも Tarmac SL9 らしい開発思想が隠されています。

(左側 Tarmac SL8 右側 Tarmac SL9)
この構造は、Tarmac SL9 のヘッドチューブをさらにスリム化するために採用されたものです。
わずか4mmではありますが、ヘッドチューブを細くすることでさらに空力性能を向上。
その一方で、フル内装されたブレーキホースのスペースをしっかりと確保する必要がありました。
そこで新たに採用されたのが、オフセットしたフォークコラム構造です。
Tarmac SL8で確立された “思いのままに操れるハンドリング特性” を犠牲にせず、 ”ブレーキホースのスペース” を確保しながら “ヘッドチューブを細くする” ためには、コラムをオフセットさせるのが最適でした。
正直なところ、「そこまでやるの?」と思ってしまいます。
ですが、レースで勝つためなら普通は思いつかないような工夫まで形にしてしまう。
Tarmac SL9 を組み立てながら、そんな開発陣の執念を感じるポイントのひとつです。

完成車になれば見えなくなる部分。
乗っていて意識することもない部分です。
それでも開発陣はその数ミリに異常なまでにこだわりました。
派手な新機能ではありませんがこうした細かな積み重ねこそが、 Tarmac SL9 の速さや完成度につながっているのだと思います。
速さだけではなく、その裏側にある開発陣のこだわりを知ると、 Tarmac SL9 というバイクがさらに面白く感じられますね。
スペシャライズド江坂では、 Tarmac SL9 の試乗車を49-56の各サイズをご用意しています。
数字やスペックだけでは伝わらない Tarmac SL9 の走りを、ぜひ実際に体感してみてください。
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