Tarmac SL8 × Alpinist CLXⅡ すべてを征する一台のもう一つの姿。

  • 公開:2023.08.16
  • 更新:2023.08.29

すべてを征す一台として、更なる進化を遂げた新型Tarmac SL8(ターマック SL8)

「すべてを征す」この言葉の通りワールドツアーにおいても数年前までは異なる地形やレースコースに合わせて複数使い分けていたバイクフレームを最近ではTarmac SL7のみでほぼ全てのレースを走っています。

今回のSL8も全方位的にSL7を進化させ、より万能なロードレーサーとしてあらゆるレースシーンを戦っていくことが想定されています。

そんなSL8の可能性を確認すべく、今回スペシャライズド神戸のストアマネージャー髙岡がAlpinist CLXIIを装備させたインプレッションをお届けします。

普段はS-Works Aethosを愛用し、SL7も所有していた髙岡が今回のSL8で感じたフレームのポテンシャルをじっくり乗り込んでご紹介いたします。

自社風洞実験施設、Win Tunnelで実験を重ね、効果の得られる部位に空力性能を高めて「もっともエアロなロードバイク」として進化したSL8。それだけではなく、Aethosの軽さやライドクオリティーも併せ持っています。

フレームは685gとトップクラスのエアロ性能を持つロードバイクとは思えないフレーム重量となっております。

今回はそんなSL8の軽量性に注目して、ホイールをAlpinist CLXIIへ変更してみました。

S-Works Tarmac SL8 × Alpinist CLX II

Rovalのエアロホイール Rapide CLX Ⅱから、軽量ホイール Alpinist CLX Ⅱへ履き替えた状態。

前方のエアロなシルエットと、後方のスマートなフレーム形状からSL8はディープリムシルエットでも、ローハイトホイールでも凄くバランス良く感じられます。

走る前ですが見た目もグッドポイント。白ロゴホイールもマッチしています。

今回SL8に装着したホイール。

Roval Alpinist CLXⅡ

前後ホイールセットで1,265gと軽量でありつつ、ハンドリング性能やレスポンスもとても良いホイールです。

アップダウンのあるテストコース

SL8の軽量性とAlpinistの加速を体感しやすいアップダウンのあるコースを走ってきました。

まず始めの登りでは、バランスの取れた剛性感を感じる事が出来る加速でした。

特に勾配が緩いと伸びを感じる程に前に進んでくれます。

フレーム重量も軽く、かつ剛性も高いので勾配が大きくなっても確実に進む感触があり、登坂性能に強さを感じます。

次に下りからの登り返しもエアロ性能による減速の少なさと加速性の良さでスピードを落とさず走っていける感覚があります。個人的にはこのスピードを維持した状態からの加速の良さは楽しさを感じます。

S-Works Aethosとの比較

普段私はS-Works AethosにAlpinist CLXⅡを組み合わせて走っています。

今回比較をするために、同じコースで走り比べてきました。

フレーム・ホイールともに軽量なこともあり、平地の漕ぎ出しの良さや登りが多いフィールドでも、楽しさが光るバイクです。

路面環境が厳しい環境でも安定感があり、下りのコーナーも思った操作感で走り抜ける事が出来ます。

もちろんトップクラスの軽量性をもつAethosですので上り単体ではSL8に力負けするようには感じられません。

しかし今回のテストライドで最も大きく違いが感じられるシチュエーションがありました。
アップダウンの繰り返し
です。

先ほどSL8のパートで触れた通り下りでのSL8の減速の少なさと加速性能の良さの組み合わせは激しいアップダウンでも高速域で駆け抜けられるように感じました。


ここは明確にSL8にアドバンテージがあるように感じます。

ヒルクライムだけならAethosも負けないかもしれませんが今回のようなアップダウンやロードレースシーンにおいてはSL8の速度維持しやすいエアロ性能とAethosと並ぶほどの登坂性能は脅威です。
今回最もAethosとの違いを感じた場面でした。

峠道は路面の悪い場所も多くありますが、コンプライアンス性能(縦方向の柔軟性)が向上しているので、シッティングで安定してペダリングを継続できるのも好印象。

エアロ形状のシートポストなのに、サドルに伝わる振動が軽減される感覚がこれまでのVengeやSL7とは異なる乗り味に感じられます。

TESTコースで走り比べて感じたSL8の総評

今までAethosをメインで乗ってきた私にとって、SL8はAethosをエアロのレースバイクに仕立てたように思いました。

いい意味で比較してもAethosらしい部分は変わらず、もう少しスピードが欲しい部分がSL8では落ちずに走り抜けられる。

自然と乗り換えても乗り手のレーシングバイクに乗るぞというスイッチのハードルが少し下がっているようにも感じました。

しかしスピードは確実に全体を通して上がっている、これまでにない不思議な感覚です。

S-Worksのレーシングバイクの乗り味があまりライドスタイルに合わなかった方にも是非一度試乗して感想を聞かせていただきたい、そんなライドフィーリングが感じられました。

原点回帰ですが、楽しく走るにはAethos、さまざまなコースを速く駆け抜けたいならTarmac SL8と明確に感じたライドでした。

参考重量比較

今回比較をした、S-Works AethosとS-Works Tarmac SL8はサドルなどの仕様に多少の差はありますが、ペダル取り付け済みで実走できる状態の参考重量比較となります。(Dura Ace Di2モデル/ペダルは旧SPEEDPLAY Zero両側約206g)

・S-Works Aethos+Alpinist CLXⅡ 6.58kg  (ペダル込み実測)
・S-Works Tarmac SL8+Alpinist CLXⅡ 6.68kg
  (ペダル込み実測)
・S-Works Tarmac SL8+Rapide CLXⅡ 6.86kg
  (ペダル込み実測)

バランスの取れたTarmac SL8で、Alpinist CLXⅡのヒルクライム仕様で組む事もオススメのチョイスですね。

今回髙岡が試したSL8を早速お試しいただける機会をご用意しました。皆様も乗って体感して是非ご感想を教えてください!

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