【オーナーズバイク】S-WORKS CRUX 5

  • 公開:2026.09.10
  • 更新:2026.09.10

グラベル”レース”を愛してやまないスペシャライズド自由が丘のオーナー高岡が駆るグラベルバイクの紹介です。

グラベルバイクの今

グラベルバイクの特徴としては下記のような感じでしょうか。

  • ロードバイクっぽい(ドロップハンドルである)
  • 悪路を走る工夫がある
  • 太いタイヤが入る

ドロップハンドルがMUSTな雰囲気ですが、ロードバイクと同じかというとちょっと違って、①ロード比やや広め、②リーチ・ドロップ共に小さい、③下に向かって広がっている(フレアしている)という特徴があります。
悪路の下りだと重心下げる為にドロップ部分を持つのですが、その時に極端に低くならぬようにショートドロップ、コントロールがしやすいようにワイド幅、となります。
以前Unbound Gravelや欧州のハイスピードなグラベルレースを経験して、グラベルバイクでもロードハンドルが良い、と思っていましたが、最近考えを改めました。
やっぱりグラベルバイク(レース)にはグラベル用ハンドルが良かったです。

また悪路を走る為にどうやってショックを吸収するか、各社様々な試行錯誤をした歴史があります(現在進行形でもありますが)。
SpecializedでもFuture Shockというヘッドチューブ内蔵型のショックユニットやリア(シート)のショックを吸収するユニットを開発したりしていました。
今のCRUXがその延長線上かというと、ちょっと違う方向かと思うのですが、ショック吸収に関しては機械的なギミックを使わない方向に進みました。なぜなら、、、

前後ともに55mm(2.2インチ)タイヤまで入る。
55mmです。これがここ10年での最大の変化です。昔のクロカンMTBよりも太いです。
太さは正義。そういう時代です。
タイヤが重い=重量が重い=疲れる、とイメージされがちですが、
そんなの関係ねぇ
そういう時代です。太いタイヤにはそれを補って余りあるメリットがあるのです。

太いタイヤはフロントディレーラーを葬り去りました。
グラベルバイクを買うなら、フロントディレーラーのことは忘れましょう。

太いタイヤはBB下がりを大きくしました。
細いタイヤに交換してシクロクロスも走りたい人たちにとってはちょっと挙動に戸惑うでしょう。
それでもシクロクロスは走れない、というわけではないです。
ただ両方できるようにすると中途半端なバイクになります。
CRUX 5は中途半端ではなく、半端ねぇバイクです。

以上ざっとグラベルバイクについての基本的な事を書いてきましたが、まだ触れていない、CURX 5を語る上で欠かせない重要な点があります。

それはエアロです。
そう、Aero is everything

ちなみにここにたどり着くまで、T社の105完成車から始まり、CXバイクだった頃のCRUX、Diverge、Diverge STR、CRUX4(2台)、C社のスーパー◯、などを乗り継いできました。あとROUBAIX SL8に38cのタイヤを履かせてグラベル世界選手権を走ったりもしました。
グラベルバイク黎明期という感じで色々なバイクに乗れて楽しかったです。

CRUX 5 パーツ構成

このバイクで8月のグラベルクラシックやくらいのM45-49で優勝しました。
そしてこのバイク(おそらくこの仕様)で10月のグラベル世界選手権を走ります。

フレームS-WORKS CRUX 5 54
パーツSRAM RED XPLR E1(1x13s)
ハンドルRoval Terra Cockpit 400x120
サドルS-WORKS ROMIN EVO 143
ホイールRoval Terra AERO CLX
タイヤS-WORKS Pathfinder 50c
ギアF 42T / R 10-46T(13s)
ペダルシマノSPD(XTR)

バイクにとてもこだわっているつもりですが、このバイクに限っては完成車(S-WORKS CRUX 5 – SRAM RED XPLR)とほぼ同じ用なスペックになっています。
上の写真の仕様からボトルを抜いて8kg弱でした。(ペダル、Garmin 1050、電動ポンプ入りのサドルバッグ込み)

©Makoto AYANO/cyclowired.jp

ハンドル幅は400ですが、Terra Cockpitはドロップ部が広がっており(フレア)下りなどで安定感が増すようになっています。やっぱりグラベルバイクにはグラベル用ハンドルだな、と思った次第。

もはや1x(ワンバイと読む)であるのは当たり前として、このバイクはリア13速です。

これは革命的に素晴らしいです。グラベルの超激坂から下りでの高速までカバーできます。
今はフロント42Tをつけていますが、よりレベルの高い世界選手権には46Tに交換しようと思っています。それだとローギアのギア比は1:1。
激坂だとギリギリだけど、世界選手権はそのくらいを踏み切る覚悟で行きます。

タイヤはプロ選手が使用してUnbound Gravelでも優勝・上位独占しているPathfinderの50c。スペシャライズドはトッププロ選手と契約して、その選手たちが実際にレースで勝てる機材を開発しているという強みと安心感があります。これで勝てなきゃ自分が悪い。

50cのわりには軽いです。レース用タイヤなのでケーシングは厚くはないですが、空気容量でカバーします。
50cだと63kgくらいの体重だと1.3bar前後で走れます(もっと下げることも可能かも)。

グラベルレースではロードレースよりも圧倒的にパンク確率が高いです。そしてプロ選手でもサポートカーはつかないのでパンク修理キットを持ってレースを走ります。
レース用に最軽量でミニマムなサドルバッグを探したらORUCASEのモノが店にあったので使ってみた。シンプルで良いです。中身はTPUチューブ1、電動ポンプ、タイヤレバー、タイヤパッチ、などなど。

(お店にもう一つ在庫あるので誰か買ってください!5,720円)

海外メディアの評価

Specializedは高い契約金でトッププロと契約して勝利を量産して広告宣伝する、というよりトップ選手が勝てる製品開発をしていると感じます。

今回の新型CRUXは名前こそ同じですが、先代(CRUX 4)から大きく方向転換しました。
「Aethosのグラベル版」から「グラベル版Tarmac SL8」へ進化しました。

以下、海外メディアからの評価を拾いました。

Positive

発表直後に開催された世界最高峰のグラベルレース「Unbound Gravel 2026」において、男子表彰台独占および女子優勝を飾ったこともあり、海外各誌では「現代グラベルレースの新たな絶対的ベンチマーク」として極めて高い評価を受けています。(BikeRadar)

エアロダイナミクスと圧倒的な速さ

ドロップドシートステー、Tarmac SL8譲りのヘッド形状、ケーブルフル内装を採用。BikeRadarやEscape Collectiveは「平坦での高速巡航や下りで明らかなアドバンテージがあり、まさにグラベル界のTarmac(“Dirt-Mac”)」と評しています。(Brujula Bike / GRAN FONDO Cycling Magazine)

異次元の軽さと登坂力

S-Worksフレームで約789g、完成車で7kg台前半〜半ばという驚異的な軽さをキープ。Bike Magazinは「ロケットのような加速感で、ペース変化の激しい登りでも足を削られない」と登坂性能を絶賛しています。(BikeBuy)

最大55mm(2.2インチ)のワイドクリアランス

マウンテンバイク(XC)規格の2.2インチタイヤまで履ける余裕を確保。泥詰まりに強く、路面状況に応じたセッティング幅が大幅に広がりました。(GRAN FONDO Cycling Magazine / BikeBuy)

高速域での安定性向上

ヘッドアングルを0.5度寝かせ、BBハイトをわずかに下げたことで、先代のシクロクロス由来の過敏さが抑えられ、長距離・ハイスピード時の直進安定性が向上しています。(BikeRadar)

ヘッド周りの防塵・防水性向上

GRAN FONDO誌は、先代で泥や砂利の侵入により短かったヘッドベアリングのメンテナンス周期が、新設計のシーリングシステムによって大幅に改善された点を実用面での美点として挙げています。(BikeBuy)

Negative

フロント周りのダイレクトな硬さ

「Roval Terra」一体型エアロコックピットや高剛性フォークの影響で、グラベルバイクとしては路面の突き上げが比較的ダイレクトに手元へ伝わります(Future Shockサスペンションを積んだ「Diverge」のような安楽な乗り心地とは明確に別物です)。(BikeRadar)

積載性・ストレージの割り切り

純粋なレース機材としてグラム単位の軽量化を優先したため、ダウンチューブ内のツールストレージ(SWAT)や、バイクパッキング用のマウントダボ類は省かれています。(Road.cc / BikeRadar)

完成車の初期チェーンリング設定

GRAN FONDO誌などのテストでは、標準装備の40Tフロントチェーンリングは「急勾配には良いが、時速40km以上の高速集団走行や下りではギアが回り切ってしまう」と指摘されており、本格的にレースで走るなら42〜46Tへの換装が推奨されています。

価格帯

上位モデル(S-Worksや新設のS-Level)は非常に高額であり、一般ライダーには手の届きにくい価格設定である点が挙げられています。(Bike Magazine)

まとめ

どんな地形であろうとも、快適に・速く・安全に・楽しく移動できる乗り物。それがグラベルバイクです。

グラベル版Tarmac(Tarmac=舗装路、という意味なので英語的におかしいですが、)とでも言うべきCRUX 5は今の時代のグラベルバイクのベンチマークと評価されています。

見た目的に大きな特徴はなく、ギミックもなく、ひたすらシンプルなロードバイク然とした佇まいですが、その分基本性能は極めて高いです。ロードバイクの最高峰Tarmacのエッセンスが凝縮されています。

グラベル”レース”バイクと書くと非レース層(大半のお客様がそうですが)には響かないかもしれませんが、自転車としての基本性能が高いということなので、万人にオススメします。
小さな力でもしっかりと進む、推進力が減衰せずに速く進む、ガタガタ道やワインディングでも安定して操作できる、長時間乗っても疲労がたまりにく。
これら全てレース以外のシチュエーションにおいても楽しさにつながる要素です。

©Makoto AYANO/cyclowired.jp

楽しそうでしょ?

※見た目ほぼTarmacなので、ホイール(タイヤ)を交換したらロードっぽく走れるんじゃない?と思う方は多いと思います。10月の世界選手権までCRUXでのトレーニングを増やしてみようと思い、ロードタイヤを履かせたバイクでしばし走ってみようと思います。そのフィードバックは後日また記事に書きたいと思います。

高岡

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