GARMINより新作ペダル型パワーメーター「Rally RS210」が発売されました。
私自身も1年ほどRS200を使用していて、RS210がどんな商品なのか、RS200と何が違うのかが気になり、色々調べてみました。
しかし、この記事を書いている1月現在では実際に使用した上での詳しいインプレッションや、具体的な使用感に関する情報はまだ多くありません。
「情報が少ないのであれば、実際に使って確かめてみよう」ということで、実物を使いながら実際の使用感や新データ「フォースデータ」とは何かまで、詳細にご紹介していきます。
新たにパワーメーターの導入を検討されている方や、Rally RS200との違いが気になっている方の参考になれば幸いです。
Contents
| 項目 | Rally RS210 | Rally RS200 |
| 電源 | 充電式 | ボタン電池 |
| 最大稼働時間 | 約90時間 | 約120時間 |
| 測定精度 | ±1.0% | ±1.0% |
| 耐荷重量 | 105kg | 105kg |
| 重量 | 312g | 320g |
| 校正機能 | 〇(Pedal IQ追加) | 〇 |
| トラベルモード | 〇 | × |
| ジャイロセンサー | 〇(オーバルチェーンリング対応) | × |
| サイクリングダイナミクスデータ | 〇(フォースデータ追加) | 〇 |
| 価格 | ¥174,900(税込) | ¥202,800(税込) |
トラベルモードとは、車や飛行機などで自転車を移動させる際に、ペダルセンサーの誤作動を防ぐための機能です。
移動中の振動や揺れによってセンサーが反応し、意図せず起動してしまうことを防ぎます。
通常、パワーメーター内蔵ペダルは振動を検知すると自動で電源が入る仕組みになっています。
そのため、車載時や輪行、航空機での輸送中でもセンサーが作動し、気付かないうちにバッテリーを消費してしまうことがありました。
トラベルモードを有効にすると、これらの移動中の振動や動きを検知してもセンサーが起動せず、バッテリー消費を完全に抑えることができます。
これにより、実際のライドで使う分だけバッテリーを使用でき、稼働時間を無駄なく活用することが可能になります。
Pedal IQとは、大きな温度変化や自転車の付け替え時、ペダルの取り付け角度の変化などを自動検出し、キャリブレーション(校正)が必要なタイミングを知らせてくれる機能です。
これにより、温度差やペダル付け替えによる測定精度の微細なズレを防ぐことができます。
特に気温差が激しい地域での使用や、複数のバイクで運用する方にとってはとても便利な機能です。
ジャイロセンサーは、ペダルの回転角度や角速度、動きの変化をリアルタイムで検知するセンサーです。
ペダリング中の実際の回転挙動を正確に把握することで、従来よりも高精度なパワー計測やサイクリングダイナミクスの算出を可能にします。
これにより、ペダルの取り付け状態や回転のクセ、オーバルチェーンリング(楕円チェーンリング)使用時の回転ムラなどによる測定誤差を抑えることができます。
特に高ケイデンス走行やダンシング、ペダリング効率を重視するライダーにとって、より信頼性の高いデータ取得を支えてくれる重要な機能です。
フォースは、ペダリング中にペダルへどれだけの力(N:ニュートン)が加えられているかを可視化する新しいサイクリングダイナミクスデータです。
従来の「パワー(W)」が回転数を含めた出力結果であるのに対し、「フォース(N)」は純粋に踏み込む力そのものに着目した指標となります。
これにより、ケイデンスの影響を受けずにペダリングの強さを把握できるため、「回して出しているパワーなのか」「力で踏んで出しているパワーなのか」といったペダリングの質の違いをより明確に分析できます。
特に、登坂時や低ケイデンス走行、高負荷トレーニングにおいて、無駄に力を使っていないか、左右で力の出し方に偏りがないかを確認するのに有効です。
フォーム改善や効率的なペダリングを目指すライダーにとって、新たな気づきを与えてくれる指標と言えるでしょう。
実際に、今年の新春初走りイベント(詳しくはこちら)でRS210を使用してみました。
結論から言うと、個人的にはRS200で感じていた不満が無くなり、更に利便性が向上していると感じる場面が多かったです。

まず最初に違いを感じたのが「電源の管理」です。
RS200はボタン電池式のため、残量が少なくなった際に「あとどれくらい使えるのか」が分かりづらい点が気になっていました。
また、私はバイクを車に積んで移動することが多いのですが、その際の振動でセンサーが反応し、意図せず電源が入ってしまい、想定より早く電池が消耗してしまうこともありました。
一方RS210では、スマートフォンからトラベルモードを設定することで、車や飛行機で移動中にセンサーが反応して起動してしまうことがありません。
その結果、バッテリーの稼働時間を無駄なく使えるようになり、電源切れを心配することなく、より正確に管理できるようになりました。
トラベルモードの解除には電源に接続された充電ケーブルを接続する必要がありますので、トラベルモードにして遠出する際にはご注意ください。

次に、電源方式の違いについてです。
RS200はボタン電池式、RS210はケーブルによる充電式となっています。
この点は好みが分かれる部分ではありますが、個人的には充電式のRS210の方が安心感があると感じました。
RS200では「まだ使えるのに電池を交換するのはもったいない」と思い、ギリギリまで使ってしまった結果、ライド中に電源が切れてしまい、計測できなかった経験があります。
しかしRS210は充電式、かつ急速充電対応で15分の充電で約12時間稼働 (要USB-C)が可能なため、ロングライド後や出発準備の合間に手軽に充電ができ、ライト類と一緒に短時間充電するだけでバッテリー残量を気にせずライドに集中できるようになりました。
最後に、サイクリングダイナミクスの新データ「フォース」についてです。
これまで私は、主にW(ワット)を基準に出力管理を行っていましたが、同一コース・同程度のW数で走っているにもかかわらず、「いつもより疲れる日」と「なぜか楽に走れる日」があることに疑問を感じていました。
RS210で新たに追加されたフォースデータを確認しながら走ることで、W数が同じでも、より楽に走れている状態を意識的に作れるようになったと感じています。
W(ワット)は、踏む力だけでなく、回転数やペダルの回し方などを含めた、いわば「結果として表れる数値」です。
一方フォース「単位:N(ニュートン)」は、ペダルにどれだけの力を加えているかを直接示すデータとなります。
RS210では、このフォースデータを確認できるため、出力を「結果」だけでなく、その原因となる踏力の部分から管理できるようになりました。
これにより、これまで以上に出力の中身を意識した走りが可能になったと感じています。
ここからはフォースデータ「単位:N(ニュートン)」の見方や活用方法についてご紹介します。
RS210自体の機能紹介ではなく、フォースデータの考え方に焦点を当てた内容となりますので、
概要のみ知りたい方は「最後に」まで読み飛ばしていただいて問題ございません。
従来よく使われてきた指標であるパワー(W)は、「踏む力」と「回転数(ケイデンス)」を掛け合わせた結果として表れる数値です。
一方フォース(N)は、ペダルに対してどれだけの力を加えているか、その“力そのもの”を示します。
つまり、同じ200Wという出力であっても、その内訳がどうなっているかはまったく別ということになります。

例えば、
フォース130N・ケイデンス80rpmで200Wを出す場合と、
フォース100N・ケイデンス100rpmで200Wを出す場合では、
最終的なパワーは同じでも、身体の使い方や疲労の質は明確に異なります。
前者は1踏みあたりの力が大きく、筋力寄りのペダリング。
後者は1踏みあたりの力を抑え、回転数で出力を作るペダリングです。
パワーだけを見ていると両者は同じ「200W」ですが、フォースを見ることで「踏んで出しているのか」「回して出しているのか」がはっきりと分かるようになります。
この違いは、感覚的にはギア比の選択とほぼ同じです。
ギア比2.0の重めのギアで走る場合はケイデンスが落ち、その分1回のペダリングで必要な踏力が大きくなります。
一方、ギア比1.5の軽めのギアで走る場合はケイデンスが上がり、1回あたりの踏力は小さくなります。
どちらも同じ速度・同じワット数を出せますが、ペダル1回転ごとの身体への負荷のかかり方はまったく異なります。
フォースデータは、このギア選択による違いを数値として可視化してくれる指標と言えます。
重いギア・低ケイデンスでのペダリングでは、大腿四頭筋への負担が集中しやすく、1踏みごとの筋収縮も強くなります。
そのため、局所的な筋疲労が溜まりやすく、特に登坂では同じ出力でも「脚から先に限界が来る」感覚になりやすいのが特徴です。
逆に、軽いギア・高ケイデンスで回す場合は、筋負荷が分散され、心肺への負担比率が高くなります。
筋肉の疲労は比較的溜まりにくく、長時間同じ出力を維持しやすくなる一方で、呼吸や心拍の余裕が問われます。
これまでこうした調整は、「今日は重い」「回した方が楽」といった感覚に頼る部分が大きかったと思います。
しかし、フォース(N)とケイデンス(rpm)を数値として確認できるようになることで、同じ150Wや200Wであっても、
・どれだけ踏んでいるのか
・どれだけ回せているのか
を客観的に把握できるようになります。
勾配や路面状況、疲労度に応じて、
重いギアで踏むのか、軽いギアで回すのかを意図的に選択できるようになる点が、フォースデータの大きな価値です。
フォースデータは、トレーニングの質を高めるためにも有効です。
例えば、
・同じ出力帯(例:200W)で
・フォースを一定範囲に抑えた高ケイデンス走
を意識することで、筋負荷を抑えた持続走の練習が可能になります。
逆に、
・フォースを高めに保ち
・ケイデンスを意図的に落とす
ことで、登坂や向かい風を想定した筋力寄りのトレーニングにも応用できます。
単に「何W出したか」ではなく、「どんな出し方でそのWを作ったのか」まで管理できるようになる点が、RS210でフォースデータを見る最大のメリットと言えるでしょう。

今回RS210を実際に使用してみて、RS200からの進化は単なるモデルチェンジではなく、「日常的に使うパワーメーターとしての完成度を高めたアップデート」だと感じました。
トラベルモードやPedal IQによる電源・校正管理のしやすさ、そして新たに追加されたフォースデータによって、これまで「結果」として見ていた出力を、その原因となる踏力の部分からも把握できるようになった点は、RS210ならではの大きな魅力です。
これから初めてパワーメーターを導入される方はもちろん、RS200を使用していて「管理のしづらさ」や「データの解釈」に少しでも疑問を感じていた方にとって、RS210は非常に満足度の高い選択肢になると思います。
店頭在庫にRS210はございますので、ご興味のある方はぜひお越しください。
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