ロードバイクが好きな方なら、一度はこんなことを考えたことがあると思います。
軽ければ速いのか。
空力性能が高ければ速いのか。
それとも剛性なのか。
私たちも店頭でお客様とお話ししていると、よくそのような話になります。
実際、ここ数年のロードバイクは軽量化やエアロ性能という分かりやすい進化を続けてきました。
そしてTarmacもその中心にいたバイクです。
だからこそ、新型Tarmac SL9の発表を見たときに感じたのは、「次は何を進化させるんだろう」という純粋な興味でした。

Tarmac SL9のフレーム重量は687g。
これは前世代とほぼ同等の水準です。
つまり今回の開発は、単純な軽量化競争ではありません。
むしろスペシャライズドが取り組んだのは、「軽さだけでは説明できない速さ」でした
店頭でも、「軽いバイクが欲しい」というご相談は少なくありません。
もちろん軽さは大切です。
ですがレースやロングライドで本当に差が出るのは、登りだけではありません。
平坦も、下りも、コーナーも、疲労もあります。
SL9はそうした現実の走行環境を前提に開発されています。

今回の発表で特に印象的だったのが “Time to Finish” という考え方でした。
ゴールまでのタイム。
たったそれだけです。
空力性能が1ワット向上した。
重量が10g軽くなった。
数字はもちろん重要です。
しかし、それによって本当にゴールタイムは短くなるのか。
開発チームはその問いだけを追い続けたそうです。
スタッフとしてこの考え方を聞いたとき、「ああ、だからTarmacなんだな」と妙に納得しました。
最近はどのブランドもエアロを語ります。
ですがSL9のアプローチは少し違います。

スペシャライズドは「ライダーとバイクをひとつのシステムとして考える」という開発を続けています。
そのために独自の風洞施設Win Tunnelを使い、脚が回転するマネキンまで開発しています。
つまりバイク単体で速いかではなく、実際に人が乗った時に速いか、を見ているのです。
お客様に試乗をご案内するときも感じますが、速いバイクは数字ではなく感覚で分かります。
踏んだ瞬間の伸び。
高速域での安定感。
SL9はその感覚が非常に自然です。

発表資料では4ワットの空力向上が紹介されています。
もちろんこれは大きな進化です。
ただ、個人的にもっと重要だと思うのがライドクオリティです。
Tarmacが長く支持されてきた理由のひとつは、万能なレーシングバイクであることでした。
SL9でもその部分は変わっていません。
むしろ、SL8でもたらされた快適性を残しながらも、速さを追求したことこそが価値だと感じています。
これは店頭でよくいただく質問です。
結論から言うと、あると思います。
なぜならTarmac SL9が目指しているのはプロ選手だけの速さではなく、ライダーが長時間、効率よく走り続けられることだからです。
ヒルクライムイベント。
ロングライド。
週末の仲間とのライド。
そうした場面でも、このバイクが持つ完成度の高さは十分に体感できます。
Tarmac SL9は、スペック表だけでは理解しきれないバイクだと思います。
軽さ。
空力。
快適性。
ハンドリング。
そのすべてが組み合わさって初めて、このバイクの速さになります。
私たちスタッフも、単純に「新しくなりました」とは考えていません。
ロードバイクの速さとは何か。
その答えに、もう一度向き合って作られた一台だと感じています。
Tarmacをご検討中の方はもちろん、現在お乗りのロードバイクからのステップアップをお考えの方も、ぜひお気軽にご相談ください。
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