【徹底解説】ロードバイクのオーバーホールとは?

  • 公開:2025.12.8
  • 更新:2025.12.8

ロードバイクに乗っていると、「変速が重い」「ブレーキの効きが悪い」「チェーンの音が大きい」「ペダルが重く感じる」など、さまざまな不調を感じることがあります。
これらのトラブルの多くは、パーツの摩耗や汚れの蓄積、グリス切れ、ワイヤーの伸びなどが原因です。

そんな不調を根本から改善し、ロードバイク本来の性能を蘇らせるのがオーバーホール(OH)です。
この記事ではビフォーアフター写真を交えながら、作業内容を細かく解説します。


ビフォーアフターで分かる!ロードバイクのオーバーホール効果

ロードバイクのオーバーホールは、単なる掃除ではなく、分解・洗浄・点検・再組立・調整まで行う本格的なメンテナンスです。
そのため、見た目はもちろん、走行性能・静粛性・耐久性が大きく向上します。

▼ Before:オーバーホール前

▼ After:オーバーホール後


ロードバイクのオーバーホールとは?どんな作業をするのか

オーバーホール(OH)とは、ロードバイクをほぼ全て分解し、パーツを洗浄し、再度丁寧に組み立てなおして新品時の性能状態に戻す作業のことです。
普段のクリーニングでは触れないBB(ボトムブラケット)、ハブ、ヘッドパーツ、ディスクブレーキキャリパーなどの内部まで作業します。

これにより、異音解消・変速改善・走行抵抗減少・回転性能向上など、ロードバイク本来の性能が復活します。


オーバーホールの全体の流れを詳しく解説|プロショップが行う工程

ここでは、実際に当店で行うオーバーホールの作業工程を、ビフォーアフター写真付きで解説します。

① フレーム・コンポーネントの状態チェック

ロードバイク全体の状態を確認し、変速のズレ、ブレーキの遊びやパットの消耗具合、ホイールの振れ、ベアリングのガタ、チェーンやワイヤーの伸びなどを細かくチェックします。
走行距離や使用状況(雨天走行、室内保管、屋外保管)も確認し、必要な作業を判断します。

② 各パーツの分解

次に、ホイール・コンポーネント・ブレーキ・クランクなどを分解します。

▼ Before(分解前)

▼ After(分解後)

この工程では、普段は見えない場所の汚れや砂埃、金属粉が溜まっていることが多く、故障やパーツ摩耗の原因になっているケースもあります。

③ 洗浄(クリーニング)工程

ディグリーザーを使い、チェーン・スプロケット・プーリー・ブレーキキャリパー・フロントディレイラー・リアディレイラーなどを徹底的に洗浄します。
店舗によっては超音波洗浄で内部から汚れを落とす場合もあります。

▼ Before(洗浄前)

▼ After(洗浄後)

洗浄だけでもチェーンの回転抵抗が減り、ペダリングが軽くなるため、ロードバイクの走りが最初より重く感じる方もこの作業で改善できたりします。

④ ベアリング関係の点検・整備(BB / ハブ / ヘッドパーツ)

ロードバイクの回転性能を大きく左右するのがベアリング。
BBの回転をチェックし、必要であればグリスアップ、玉当たり調整、ベアリング交換を行います。

▼ Before(汚れ・グリス切れ)

かなり汚れが溜まってしまっていて動きが悪くなってしまっています。

▼ After(グリスアップ後)

⑤ ワイヤー・ブレーキ・変速系の調整・交換

シフトワイヤーやブレーキワイヤーは使用するうちに伸びたり錆びたりします。
交換することで、変速がしっかりと決まり、ブレーキもレバー操作に対してリニアに反応するようになります。

交換目安としては錆やほつれがあればもちろんですが、

走行距離: 約3000km〜5000km 使用年数: 1年〜2年

が目安になります。当店のセミオーバーホールであればワイヤー交換もセットになっておりますので交換時期であればオーバーホールがオススメです。

油圧ディスクブレーキの場合は、ブリーディング(オイル交換)を行い、ブレーキタッチが改善します。

⑥ 再組み付け(トルク管理)

各パーツを適正トルクで組み付け、フレームやボルト類を保護しながら安全性を確保します。
この作業は、ロードバイクの寿命やパーツトラブルの防止に大きく関わる重要な作業です。

汗が入りやすい所などは錆びやすいので注意が必要です。

⑦ 最終調整(変速・ブレーキ・ホイールの振れ取り)

最終的に、変速調整、ブレーキ調整、ホイールの振れ取りを行い、ロードバイク全体の動きを最適化します。
変速機(ディレイラー)が正確に動くように点検・調整することで、ストレスのないスムーズなシフティングが可能になります。

⑧ 試走チェック

最後に実際に走行し、異音・変速の入り・ブレーキの効き・ペダルの軽さを細かくチェックします。


オーバーホールの料金目安とお預かり期間

  • セミオーバーホール:27,500円(税込)〜

 ※各消耗品(ブレーキパッド、ローター、バーテープ、グリップ、タイヤ、チューブ、ブレーキホース、ブレーキアウターケーシング、シフトアウターケーシング、ベアリングなど)は、磨耗状態により交換となることもあります。交換となった消耗品は別途料金を頂戴いたします。
 ※ブレーキインナーワイヤー、シフトインナーワイヤー、ブレーキアウター、シフトアウター、オイルは新しい物に交換いたします。こちらは標準代金に含まれます。ブレーキホースは別途有料となります。 

 ・お預かり期間:約1週間〜10日間

オーバーホールは作業工程が多く、バイク全体を丁寧に点検・分解・清掃・調整するため、時期や混雑状況によっては通常よりお時間をいただく場合がございます。

冬の寒さが厳しい時期などは集中しやすく、作業が立て込むことがございます。そのため、スムーズに作業を進めさせていただくためにも、できるだけ余裕をもったスケジュールでお持ち込みいただけますと大変助かります。

お客様の大切なバイクをより良い状態でお返しできるよう努めております。何卒ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。


オーバーホールのおすすめ時期

ロードバイクは使用環境により、内部の汚れや摩耗度合いが大きく変わります。
以下は一般的な目安です。

乗る頻度・スタイル年間走行距離の目安オーバーホール推奨頻度主な理由・ポイント
ほぼ毎日乗る(通勤含む高頻度)5,000〜10,000km以上年1回雨天走行が避けられず摩耗が早い。ワイヤー・BB・ハブの劣化が進みやすい。
週3〜4回(スポーツ〜トレーニング)3,000〜7,000km1〜2年に1回チェーン寿命3,000〜5,000kmを考えると早めメンテが安心。
週末ライド(月100〜200km前後)1,200〜3,000km2〜3年に1回距離は控えめだがワイヤーやグリス硬化が進むため定期OHが必要。
月1〜2回ゆったりライド500〜1,000km3年に1回距離よりも経年劣化(グリス硬化・ワイヤー錆)のリスクが大きい。
ほとんど乗らない・長期保管〜500km以下3〜4年に1回長期保管でグリスが固まり、ワイヤーや可動部の動きが悪くなる。


まとめ

オーバーホールを行うことで、見た目・走行性能・静粛性・安全性がすべて向上します。
汚れやグリス切れによる抵抗が解消され、軽くて速くて静かな“本来の走り”を取り戻すことができます。

最近「変速が決まらない」「ブレーキの効きが弱い」「走りが重い」と感じている方、しばらくメンテナンスをしていない方は、ぜひ一度オーバーホールをご検討ください。

【Universal Web Form 名城】

こちらから予約も可能ですのでお気軽にお問い合わせください。

  • facebook
  • x(Twitter)
  • copy クリップボードにコピーしました。

記事検索

カテゴリ

関連記事

人気記事