こんにちは、スペシャライズド熊本の平井です。
ロードバイクを選ぶ中で、最近よくご相談いただくのが、「ShimanoとSRAM、どっちがいいの?」という質問。特に今回登場したTarmac SL9 Compは、
Shimano 105 Di2
SRAM Rival AXS
の2種類がラインナップされています。
フレーム、ホイール、コックピットなど基本構成も共通なので、
「同じ価格なら、どっちを選べばいい?」
と悩まれる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、Tarmac SL9 Compを例に、Shimano 105 Di2とSRAM Rival AXSの違いを比較してみたいと思います。
結論から言うと、≪どちらが上というより、考え方が結構違います。≫
ここが面白いポイントです。
Contents
今回比較するTarmac SL9 Compは、FACT 10rカーボンフレームにS-Worksと同じFACT 12rフォークを採用しています。ホイールはDT R470 Disc、コックピットはRapideステム+アルミハンドルバーという構成です。
そしてコンポーネントを、
Shimano 105 Di2
または
SRAM Rival AXS
から選択できます。
参考重量は56サイズで、
105 Di2:約8.21kg
Rival AXS:約8.14kg
完成車重量ではRival AXS仕様の方が約70g軽くなっています。※メーカー参照値
価格はどちらも¥594,000(税込)。


つまり今回は、
「価格差で選ぶ」のではなく、「どちらのシステムが自分に合っているか」で選べる
ということになります。
まずは、日本ではお馴染みのShimano。
105 Di2は、上位グレードのDURA-ACEやULTEGRAで培われたDi2テクノロジーを取り入れた電動コンポーネントです。
機械式105から大きく変わるのは、もちろん変速。スイッチを押すだけで、素早く正確に変速してくれます。
105 Di2を選ぶ大きな理由のひとつが、変速の速さと正確さ。
特にフロント変速はShimanoの得意とするところです。
≪登りに入る直前≫
≪速度が上がってアウターへ戻したいとき≫
≪レースやグループライドなど、瞬間的にギアを切り替えたい場面≫

そんな状況でもスムーズに変速してくれます。「変速についてあまり考えなくていい」というのは、実際に走ってみるとかなり大きなメリットです。
ここは個人的にShimanoを選ぶ大きなポイントですが、
国内での圧倒的な普及率。
ロードバイクに乗っている方なら、一度はShimanoを使ったことがあるという方も多いと思います。消耗品や補修部品などを含め、国内で非常に馴染みのあるコンポーネントなので、
「長く使うことを考えて安心感を重視したい」
という方には105 Di2は非常に選びやすいと思います。

また、各ショップでもShimanoのアフターパーツは在庫しているところも多く、出先で困った際にも対応しやすい点も魅力です。
機械式Shimanoから乗り換える方にも比較的馴染みやすいのが105 Di2。
≪右レバーでリア変速≫
≪左レバーでフロント変速≫
従来のShimanoロードコンポーネントに慣れている方なら、違和感なく移行しやすいと思います。初めて電動変速を使う方にもおすすめしやすいシステムです。


もちろん、お好みでボタン設定は変更可能です。
もちろん弱点がないわけではありません。
Di2はシフトレバーから変速機まで完全に独立したワイヤレスではなく、前後ディレイラーはバッテリーと配線されています。
普段使用していて気になる部分ではありませんが、
システム全体のシンプルさ
という点では、SRAM AXSに分があります。
また、前後ディレイラーでひとつの内蔵バッテリーを共有するため、「バッテリーだけを外して充電する」といったことはできません。
万が一バッテリーが切れてしまうと、前後ともディレーラーが動かない…なんて事も起こります。
ここはSRAMとは大きく考え方が違う点です。
続いてSRAM Rival AXS。
SRAMの特徴をひと言で表すなら、
「シンプルで自由度が高い」
でしょうか。一度使うと、この操作方法が好きになる方もかなり多いです。
個人的には現行のE-1モデルはかなり好みの使用感です。
Rival AXSの大きな特徴が、
シフト操作の完全ワイヤレス化。
シフトレバーと前後ディレイラーを接続する配線がありません。前後ディレイラーにはそれぞれ着脱式のAXSバッテリーを装着します。


バッテリーを外して室内で充電できるので、「自転車の保管場所にコンセントがない」という方にも便利です。そしてバッテリーは前後で共通しています。
例えばリアディレイラーのバッテリー残量がなくなってしまった場合でも、フロント側のバッテリーと入れ替えるという対応もできます。また、バッテリー単体でバッグやストレージに収納しておけば、ロングライドや突発的なトラブルへも対応できます。
このあたりはSRAMならではの面白いところです。
SRAM AXSのシフト操作は非常にシンプル。
基本的には、
右を押す → リア重いギアへ
左を押す → リア軽いギアへ
左右同時押し → フロント変速
という考え方です。
Shimanoになれている方は最初、操作の違いに戸惑うかもしれません。
でも慣れてしまうと、「こっちの方が分かりやすい!」という方も少なくありません。


特に初めてロードバイクに乗る方の場合、過去の操作方法に慣れていない分、AXSの方が直感的に感じることもあります。
SRAM AXSの大きな魅力のひとつが、カテゴリーを越えた拡張性の高さ。
AXSはロードだけでなく、対応するXPLR(グラベル)やEagle(MTB)コンポーネントとの組み合わせも可能です。
例えば、ロード用AXSシフトレバーにMTB用Eagleのリアディレイラーを組み合わせ、よりワイドなギアレンジを持たせる仕様など、乗り方に合わせたカスタムを楽しめます。
さらにTarmac SL9はUDH(Universal Derailleur Hanger)を採用。
UDHは単にディレイラーハンガーを共通規格化するだけでなく、SRAMのFull MountタイプのXPLR AXSやEagle Transmissionなど、今後のドライブトレインカスタムにもつながる規格です。
ロード・グラベル・MTBという枠を越えて、将来的なカスタムの選択肢を広げられる。
ここはAXSを選ぶ面白さのひとつだと思います。


※AXS製品は組み合わせによって互換性が異なるため、カスタム時には対応するディレイラー・カセット・チェーンなどの確認が必要です。
SRAMの場合、Shimanoと比較すると日本国内ではまだ使用している方が少ない印象があります。
そのため、「今までずっとShimanoだった」という方にとっては、操作方法やギア構成、使用するチェーンやカセットなどに少し慣れが必要です。
また、前後ディレイラーそれぞれにバッテリーがあるため、管理するバッテリーの数はShimanoより多くなります。充電を忘れないよう、それぞれの残量を確認する必要があります。
とはいえAXSアプリからバッテリー状態を確認できるので、慣れてしまえばそれほど難しいものではありません。
ここまで読んでも、
「結局どっちがいいの?」
と思いますよね。
個人的には、こんな選び方が分かりやすいと思います。
・変速性能、特にフロント変速のスムーズさを重視したい
・これまでShimanoを使っていて、同じ感覚で乗りたい
・国内での普及率やパーツ供給など、安心感を重視したい
・初めての電動コンポーネントで迷っている
こういった方には、105 Di2がおすすめです。迷ったときに非常に選びやすい、完成度の高いコンポーネントだと思います。
一方で、
・完全ワイヤレスのシンプルな構成が好き
・直感的なシフト操作に魅力を感じる
・スマートフォンから細かく設定したい
・着脱式バッテリーの使い勝手に魅力を感じる
・人とは少し違った機材を使いたい
という方なら、
Rival AXSがおすすめです。特に「機材そのものを楽しみたい」という方にはSRAMはかなり面白い選択肢だと思います。
今回のTarmac SL9 Compで面白いのがここです。
105 Di2仕様:¥594,000(税込)
Rival AXS仕様:¥594,000(税込)
同価格です。
つまり、「安い方を選ぶ」ではなく、純粋に好きなコンポーネントを選べる。
これはかなり悩ましいですね(笑)
Tarmac SL9 Compは、以前のブログでもご紹介した通り、
カスタムベースとして非常に面白いモデルです。
FACT 10rカーボンフレームとFACT 12rフォークというしっかりした土台があり、標準ホイールはDT R470 Disc。
まずは完成車の状態で乗って、その後Rovalのカーボンホイールへ。さらにRapide Cockpitへ。そんなふうに少しずつアップグレードしていくことができます。
そしてコンポーネントについても、
105 Di2を選べば、将来的にULTEGRAやDURA-ACE系パーツへのアップグレードを考える楽しみがあります。Rival AXSなら、SRAMのAXSエコシステムを活かしてカスタムしていく楽しみがあります。
完成車を買って終わりではなく、「これから自分のSL9を作っていく」という視点でコンポーネントを選んでみるのもおすすめです。
Shimano 105 Di2とSRAM Rival AXS。
どちらも12速の電動変速コンポーネントですが、実際に比較してみると考え方はかなり違います。
変速性能、馴染みやすさ、国内での安心感を重視するならShimano 105 Di2。
完全ワイヤレス、直感的な操作、自由度の高さを楽しみたいならSRAM Rival AXS。
どちらが優れているというより、
「自分がどんな使い方をしたいか」
で選ぶのが一番だと思います。
そしてTarmac SL9 Compなら、どちらを選んでも価格は同じ¥594,000(税込)。
これは悩みます。
スペシャライズド熊本では、コンポーネントの違いや操作方法についても実際の車体を見ながらご説明いたします。どちらのコンポーネントも試乗車のご用意がございますので、実際に動かしてみることも可能です。
「初めての電動コンポーネントならどっち?」
「今までShimanoだったけどSRAMも気になる」
「将来的にパワーメーターを付けたい」
などなど。
コンポーネント選びで迷われている方も、ぜひお気軽にスタッフまでご相談ください。
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