
ロードバイクを選ぶとき、多くの方が一度は候補に挙げるTARMAC。
スペシャライズドを代表するレーシングバイクとして、長年にわたって進化を続けてきたモデルです。
そして現在、TARMACにはSL8と、最新世代となるSL9があります。
「SL9が新しいのは分かるけど、SL8とは何が違う?」
「SL8でも十分速いんじゃない?」
「自分にはどちらが合っている?」
今回は、そんな疑問にお答えするために、TARMAC SL8とSL9、それぞれの開発思想や特徴を改めて見ていきたいと思います。

そもそもTARMACは、単純に「軽いロードバイク」でも「空力の良いロードバイク」でもありません。
目指しているのは、
どんなコースでも速く走れるレーシングバイク。
登りだけなら、もっと軽量なバイクがあります。
平坦だけなら、もっとエアロに特化したバイクがあります。
しかし、ロードレースでは登りもあれば下りもあり、平坦もあり、スプリントもあります。
そこで重要になるのが、
軽量性・空力性能・剛性・快適性・ハンドリング。
これらを一つのバイクにどこまで高いレベルでまとめられるか。
それがTARMACというバイクの面白さです。
SL8の開発でも、スペシャライズドは空力性能だけ、重量だけを追求するのではなく、空力・軽量性・ライドクオリティーの3つをバランスさせることを重視しています。

2023年に登場したTARMAC SL8。
発表当時、スペシャライズドはSL8を「世界最速のレースバイク」と表現しました。
その理由は、単純にフレームが軽くなったからではありません。
SL8では、前世代のSL7から空力性能をさらに高めながら、フレーム重量はS-WORKSで約685g。
さらに重量剛性比やコンプライアンスも向上させています。
つまり、
軽い。
速い。
しっかり進む。
でも、乗り手に無理をさせない。
この相反しそうな要素を一つのフレームにまとめたことがSL8の大きな特徴です。

SL8について語るうえで、個人的に面白いポイントが「乗り味」です。
レーシングバイクというと、
「硬い」
「脚が削られる」
「速いけど長距離は大変」
そんなイメージを持っている方もいるかもしれません。
もちろんSL8はレーシングバイクなので、ペダルを踏み込んだときの反応性はしっかりあります。
一方で、SL8はただ硬いだけのバイクではありません。
実際のインプレッションでも、剛性感と乗りやすさが共存している点が評価されています。
長い距離を走って疲れてきたときでも、バイクがライダーの動きを邪魔しない。
これは、レースだけではなく、ロングライドを楽しむ方にとっても大きなメリットです。

そんなSL8から、さらに進化したのがTARMAC SL9です。
SL9の開発で興味深いのは、
「もっと軽くしよう」
「もっとエアロにしよう」
という単純な方向ではなかったこと。
スペシャライズドが掲げたのは、
「どうすればフィニッシュラインまで最速で到達できるのか?」
という、より本質的な問いでした。
その考え方を表したのが、
RIDER + BIKE + ROUTE = TIME TO FINISH
という「スピードの方程式」です。
ライダーの出力や体重。
バイクの重量や空力性能。
そしてコースの距離、勾配、風、路面状況。
これらすべてを含めて、最終的な「速さ」を考える。
SL9は、そんな考え方から生まれています。
SL9で特に注目したいのが空力性能です。
SL8からSL9では、空力性能が4W改善。
しかも、そのために大幅な重量増を許したわけではありません。
S-WORKS TARMAC SL9は、SL8からわずか2gの重量増に抑えながら、空力性能を向上させています。
「エアロにすれば重くなる」
「軽くすれば空力が悪くなる」
ロードバイクでは、こうしたトレードオフが常に存在します。
SL9は、そのトレードオフをできるだけ小さくしながら、さらに速くすることを狙ったモデルです。



SL9を見ていると、SL8と比べて細かな部分まで形状が変わっていることに気付きます。
例えば、
Speed Sniffer
ヘッドチューブ周辺の空気の流れを整えるための特徴的な形状です。
SL9ではさらに薄型化され、前面投影面積も削減されています。
そして、
Flow Fork
Dropped Down Tube
Win Fin
といった新しい設計も採用。
単純に一部分をエアロ化するのではなく、フレーム全体で空気の流れを考えています。
こうして見ると、SL9は「SL8のマイナーチェンジ」というより、
SL8で得たものをベースに、もう一度フレーム全体を見直した新世代のTARMAC
と考えた方が分かりやすいかもしれません。

ここが一番気になるところだと思います。
結論から言えば、
どちらを選んでも間違いではありません。
むしろ大切なのは、
「どこまで性能を求めるのか」
です。

SL8の魅力は、すでに非常に高いレベルまで完成されたレーシングバイクであること。
軽量性、空力性能、剛性、乗り味、ハンドリング。
どれか一つに極端に振るのではなく、すべてを高い次元でまとめています。
そのため、
という方には、SL8は今でも非常に魅力的な選択肢です。
特に、車体にかける予算を抑えて、その分をホイールへ回すという考え方もあります。
例えば、完成車のホイールをアップグレードするだけでも、走りの印象は大きく変わります。
「SL8をベースに、自分だけの最速仕様を作る」
という楽しみ方もTARMACの魅力です。

一方で、
「せっかく買うなら最新世代がいい」
という方にはSL9がおすすめです。
SL9では、SL8からさらに空力性能を高めながら、重量増をほぼ発生させず、フレーム全体の設計を見直しています。
また、SL9では最新の設計思想やエアロダイナミクスを取り入れているため、
「これから長く乗るレーシングバイクを選びたい」
という方にも向いています。
SL9がSL8より4W速くなった。
フレームが2g増えただけ。
こうした数字を見ると、
「じゃあSL9の方が絶対に速いじゃん」
と思うかもしれません。
しかし、実際のライドではそう単純ではありません。
ロードバイクの速さは、フレームだけで決まるものではないからです。
ホイール。
タイヤ。
ポジション。
ハンドル幅。
ライダー自身の出力。
そして走るコースや風。
これらすべてが関係します。
SL9の開発思想そのものも、ライダー・バイク・ルートを一つのシステムとして考えるものです。
だからこそ、
「SL9だから速い」
ではなく、
「自分に合ったSL9を組み上げることで、初めてその性能を活かせる」
と考えることが大切です。

TARMACを購入するとき、フレームばかりに目が行きがちですが、ホイールも非常に重要なパーツです。
同じTARMACでも、
軽量なホイールを選ぶのか。
エアロ性能を重視するのか。
登りと平坦のバランスを取るのか。
それによって完成車のキャラクターは変わります。
スペシャライズドでは、TARMACとROVALのホイールを組み合わせた状態で空力性能を考える開発も行われています。
だからこそ、
「フレームはSL8にして、ホイールをアップグレードする」
という選択肢もあります。
反対に、
「最新のSL9に、さらに高性能なホイールを組み合わせる」
という究極の一台を作るのも面白いでしょう。

TARMACについて話していると、どうしても「何W速い」「何g軽い」といった数字に目が行きます。
もちろん、それらは重要です。
しかし、ロードバイクは数字だけではありません。
狙ったラインを走れる。
コーナーで安心してバイクを倒せる。
登りで軽快に進む。
平坦で速度を維持できる。
長い距離を走っても、最後まで自分の脚を残せる。
こうした一つひとつの性能が合わさって、
「速いけど、乗っていて楽しい」
というロードバイクになります。
SL8とSL9は、その「速さ」と「乗る楽しさ」のバランスを高い次元で追求したTARMACです。
ここまで読んでも、
「結局、自分にはどっち?」
と思う方も多いと思います。
それで大丈夫です。
ロードバイク選びでは、スペック表だけでは分からないことがたくさんあります。
走る場所。
走り方。
今乗っているバイク。
予算。
ホイールをどうするか。
そして、どんな乗り方をしたいのか。
スペシャライズド厚木では、こうした部分までお伺いしながら、お客様に合ったバイクやカスタムをご提案しています。
「SL8とSL9で迷っている」
「TARMACとAethos、どちらが自分に合う?」
「完成車を買ってからホイールを交換したい」
そんなご相談もお気軽にスタッフまでお声がけください。
数字だけでは分からないTARMACの違いを、ぜひ店頭で実際に確かめてみてください。
あなたにとっての「最速の一台」を、一緒に探してみませんか?
◾️公式 Instagram・・・・@specialized_atugi
◾️公式 Facebook ・・・・スペシャライズド厚木
Store Informationスペシャライズド 厚木
〒243-0018 神奈川県厚木市中町3-13-5 1F
TEL :046-294-5855
MAIL:atsugi@specialized-store.jp
平日 12:00〜19:00 土日祝 10:00〜19:00
定休日:火曜日・水曜日
アクセス 電車:「小田急線 本厚木駅」より徒歩約7分(あつぎ大通り直進、右手に店舗)
バス:「市役所入り口(厚木市)バス停」店舗の目の前
お車:「圏央厚木IC」より車で17分、(近隣コインパーキングをご利用ください)