これが世界最速へのアップデート。S-Works Tarmac SL9試乗レビュー

  • 公開:2026.07.19
  • 更新:2026.07.20

発表前から大きな話題となっていたS-Works Tarmac SL9

スペシャライズド高松でも試乗車をご用意し、「すべてを征す一台」と評されるロードバイクの性能をいつでもご体感していただけるようにしています。

今回のSL9は、単なる軽量化や空力性能だけでなく、実際のレースで速く走ることを重視して開発されています。

メーカーが掲げる”実世界におけるTime to Finish(ゴールまでのタイム)を最も短縮する一台”という言葉。
今回はスペック表では伝わらない、「実際に乗ってどう感じたのか」を率直にご紹介します。

試乗車紹介

試乗車:S-WORKS TARMAC SL9 – SHIMANO DURA-ACE DI2
サイズ:52
適用身長の目安:163~170cm

試乗コース

今回、香川県高松市にある「屋島スカイウェイ」と「庵治半島」という、高松市在住のサイクリストにはお馴染みのコースを走行してまいりました。

「屋島スカイウェイ」は、麓から山上駐車場入口までの距離約3.7km・標高差約270mで、平均勾配はおよそ7.3%とされています。自転車のヒルクライムとしては中級程度の斜度です。

「庵治半島」は一周が約22km。おだやかな瀬戸内の海と島々の絶景を眺めながら峠を越えるなど起伏があるコースです。

インプレッション

①率直に感じたこと

私が最初に抱いた印象を一言で表すなら、「エアロのオバケ」です。(笑)

その理由は、向かい風の中を走っていても、ペダリング時の脚への負担がほとんど増えず、バイクの推進力が落ちている感覚がないこと。風に対して失速するどころか、スピードを維持しやすい印象を受けました。
さらに驚いたのは、斜め前から吹く風や横風、追い風の区間です。風を受けることで抵抗が増すというよりも、その風がバイクの推進力へと変換されているような感覚がありました。
この性能を体感して、「クリテリウムやロードレースでは、風が強ければ強いほどTarmac SL9のアドバンテージが際立つ」と確信しました。

もう一点、強く印象に残ったのが、「見た目の印象以上に軽い」ということです。

エアロ性能を最大限に高めるため、フレーム各部にはさまざまなブラッシュアップが施されています(詳細は後述します)。そのため、見た目からはどっしりとした印象を受けますが、実際に走り出してみると、その軽快な加速感と軽さに驚かされました。

「SL8よりも坂を速く登れるのか?」という点については、私のスピード域では体感できるほどの差はありませんでした。しかし、Tarmac SL8の軽快さや扱いやすさをしっかりと受け継ぎながら、レースで勝つためのエアロ性能をさらに高いレベルへと引き上げた──それが、Tarmac SL9に試乗して最も印象に残ったポイントです。

② SL8からブラッシュアップされたSL9の特長

Speed Sniffer

4mmのスリム化と正面投影面積10%削減を実現しています。

Flow Fork &Dropped Down Tube

フロント周りの空気の流れを徹底的に最適化するための設計です。フォークで整えた空気を、ダウンチューブとの間をスムーズに通過させることで乱流を抑え、より少ない力で速く走れるエアロ性能を実現しています。

Win Fin

リア周りの気流を整え、逃げや独走に最適な空力性能を引き出します。
実際のレースデータから、多くの逃げではボトルは2本ではなく1本で走っていることが明らかになりました。2本目のボトルを必要としないリアルな実戦環境をもとにバイク後方を再設計しました。その結果として生まれたのがWin Fin。勝負の重要な局面における空力条件に最適化されています。

S-Works Rapide Post

前面投影面積を抑えた深い断面形状と、過去最薄となるプロファイルにより、より整ったエアフローを実現し、空力性能を向上。さらに、最適化されたFACTカーボンレイアップはバランスの取れたコンプライアンスを生み出し、一日中続く快適性を提供します。

ceramicspeed社製 SLTヘッドベアリング

**SLT = Solid Lubrication Technology(ソリッド潤滑技術)**の略。
この技術は、グリス不要で自己潤滑する構造になっており、長寿命かつメンテナンスフリーを実現した革新的なヘッドベアリングです。

UDH対応フレーム

「UDH対応フレーム」とは、SRAM(スラム)社が提唱した「UDH=Universal Derailleur Hanger(ユニバーサル・ディレイラーハンガー)」規格に対応したフレームのことです。
簡単に言うと、リアディレイラー(変速機)を取り付ける部分の形状が統一されたフレームです。

CeramicSpeed BB ALPHA(完成車に付属)

BBは機械の上で空転するための部品ではありません。
実際には、バイクに組み込まれ、ライダーの踏力を受けながら回り続けます。ペダリングによる荷重、フレームのしなり、路面からの振動。さらに雨、汗、洗車、砂ぼこり、泥の影響も受けます。
CeramicSpeed BB ALPHAは、機械上の空転ではなく、ライダーが実際に走る環境で価値を発揮するボトムブラケットです。


こんな方におすすめです

ヒルクライムで自己ベストの更新を目指す方や、レースで勝利を狙う方はもちろん、長時間にわたって風の影響を受けるクリテリウムやロードレースでも、その性能を存分に発揮してくれる一台です。

もちろんレース志向ではないサイクリストにもおすすめできるロードバイクですが、Tarmac SL9は、これまで以上に「レースで勝つこと」を追求したモデルという印象を受けました。

そのため、ライドスタイルによってはTarmacではなく、快適性を重視するならRoubaix、軽快な乗り味やロングライドを楽しみたいならAethos 2をご提案させていただく場合もあります。

まとめ

SL9は劇的な変化ではなく、「Tarmacという完成形」をさらに磨き上げた一台です。
エアロロードでもヒルクライム専用でもありません。その両方を高いレベルでこなせる万能性が魅力です。

私個人の印象では、万人受けするというよりは、好みがはっきりするタイプのロードバイクです。だからこそ、ぜひ実際に乗って、その性能やフィーリングをご自身で確かめていただければと思います。

試乗をご希望の方は、スペシャライズド高松までお気軽にお問い合わせください。


新製品やイベント情報など発信していきますので、SNSもぜひチェック&フォローお願いします。
◾️Facebook・・・ スペシャライズド高松公式Facebook
◾️Instagram・・・ @specialized_takamatsu
■X(Twitter)・・・ @ss_takamatsu


Store Information
スペシャライズド 高松
〒760-0078 香川県高松市今里町1丁目28-21
TEL:087-813-1901 MAIL: メールはこちらから
営業時間:平日11:00 ~ 19:00・日祝11:00 ~ 18:30
定休日:火・水


  • facebook
  • x(Twitter)
  • copy クリップボードにコピーしました。

記事検索

カテゴリ

関連記事

人気記事