「グラベルクラシックやくらい」100km エリート参戦・機材レポート by 竹谷賢二

  • 公開:2025.09.1
  • 更新:2025.09.1

今年、日本初の本格グラベルレースとして開催された「グラベルクラシックやくらい」。2026年には UCI Gravel World Series への参入を見据える難易度の高いコースで、集まったハイレベルなMTB、シクロクロスロードレースの現役選手たちに混ざり、エリートクラスに参戦してきました。

レース本編のドラマについては、ぜひ後日の NHK BS1「チャリダー★快汗! サイクルクリニック」放送をお楽しみに。
ここでは、実際に使用した機材と補給戦略、そして「次に走るならこうしたい!」というリアルな欲望を交えてレポートします。

(竹谷賢二)


使用バイク

SPECIALIZED CRUX EXPERT 2025年モデル

シクロクロス由来の軽量フレームは、獲得標高の多いこのコースにまさに最適解。剛性と軽さのバランスが秀逸で、長い登りでも余裕を残せました。舗装路区間も約40%と多く、スピードが乗る場面では「ロードバイクのような軽快さ」が大きなアドバンテージになりました。

ハンドルとサドルポジションのセッティングも絶妙で、
・激坂 → サドル前乗り、前後に体の位置が変えられる幅広さが重要
・ダートの下り → ドロップハンドルで安定、これは低重心化とブレーキのしやすさのため重要
・舗装の登り → ブラケットでダンシング、主に姿勢を伸ばすストレッチ効果として多様
・平坦高速 → エアロフォーム、舗装で体を起こしているライダーを軽快に抜きました

と、どの局面でもストレスなく走れる一台に仕上がっていました。
唯一欲を言えば、カーボンハンドルのしなりによる振動吸収性があれば、疲労低減とコントロール性はさらに上がったと感じました。


主なカスタムポイント

・タイヤ:Pathfinder 45C(チューブレスレディ+シーラント)
→ グラベル6割/舗装路4割のコースにちょうど良い転がりとグリップ。前31psi・後34psi(2.2/2.4気圧)でスタート。浮き砂利でも安定感がありましたが、ハイスピードのダウンヒルでは前輪が流れる場面も。空気圧はもう少し下げても良かったかもしれないがパンクリスクと舗装路を考えると、28psi/31psiくらいか。
次回は前輪のボリュームアップや50Cクラスも検討したいところ。

・サドル:S-Works Phenom Mirror
→ ミラー構造の快適性が長丁場で効果的。ロングノーズ形状で前乗りしやすく、激坂やエアロフォームに対応。

・シートポスト:Terra オフセット0
→ ポジションを前寄りにセットし、踏み込みやすさを優先。サドルとの相性も良好で乗り心地は上々。

・ディスクローター:SRAM Red
→ 制動力と放熱性が高く、雨天やロングダウンヒルでも安心。操作が少なくても安定して効くのでグラベルでは頼もしい存在。

・チェーン:ワックス加工済み
→ ドライ&ダスティな序盤は軽快そのもの。後半は雨で轍が川のように流れる状況もあり、チェーン負荷は高めだったかも。


身につけた装備

・ヘルメット:S-WORKS EVADE 3
→ 東北の暑さでも通気性に問題なく、舗装路の高速区間ではエアロ効果を実感。

・アイウェア:Smith PivLock™ Vert(ChromaPopレンズ)
→ 日陰と日向、砂利・土・簡易舗装と路面が目まぐるしく変化するコースで、ハイコントラストな視認性を大きくサポート。

・グローブ: BG DUAL-GELグローブ
→ GELパッドがブラケットの隙間を埋め、握り心地と安定性が格段に向上。長時間のコントロール性と疲労軽減に大きく貢献。

・ソックス:Compressport Aero ソックス
→ コンプレッションの快適性とエアロ性能を両立。

・シューズ:S-WORKS RECON SHOES
→ ロードシューズと変わらぬ性能でグラベルレースに最適。

・サイクルコンピューター:Garminエッジ840
→ ラリーXCと合わせてパワーガイドを活用、グラベルの激しい振動と前方視認優先で細かい表示を読み取ることが難しく、エッジ1050の方が向いていたかも。


補給戦略

グラベル100kmは補給ポイントが極端に少なく(頂上で水のみ、周回で自前補給を受け取り可)、補給ミスは即パフォーマンス低下に直結。実際、2周目で失速するライダーを多く見かけました。

今回は「安定した糖質供給とカフェインのタイミング」をテーマに設計。

前日
・GU Energy Drink Mix(59g)
・Maurten Drink Mix 320(80g)

スタート前
・GU Energy Chews(ストロベリー・カフェイン入り/44g)
・GU Liquid Energy(オレンジ・カフェイン入り/23g)

レース1周目
・GU Drink Mix(59g×2/680mlボトル)
・GU Liquid Energy(オレンジ・カフェイン入り/23g)
・PowerBar Fuel Gel(23g)
・Top Speed エンプラス(2粒)
・真水(650ml/掛け水用)
・冷却氷(ジップロックで背中ポケットへ)

レース2周目
・GU Drink Mix(レモンベリー・カフェイン入り/59g×2/680mlボトル)
・GU Liquid Energy(オレンジ・カフェイン入り/23g)
・PowerBar Fuel Gel(23g)
・Top Speed エンプラス(2粒)
・真水(650ml/掛け水用)
・冷却氷(ジップロックで背中ポケットへ)

総カーボ量:約450〜500g(1時間あたり90〜100gペース)。
「補給を落とさない/飲み損ねない」ことが最重要課題。ボトル配置や携帯方法はさらに工夫の余地あり。


次回に向けての改善と欲望

・タイヤ幅アップ:荒れた区間は50Cクラス、場合によってはMTBタイヤも選択肢。
・補給配置:トップチューブバッグで素早く取り出せるように。
・ハンドルのカーボン化:テクニカル区間での操作性と快適性を強化。
・雨対策:にわか雨が視界を奪ったので、軽量フェンダーも検討。


まとめ

「グラベルクラシックやくらい」は、単なる「未舗装ロード」ではなく、真の意味でのグラベルレース。フィジカルに見合ったペース配分はもとより、バイク選びから補給戦略まで、細部の積み重ねが走破力を決定づけます。

次回レース出場の際にはさらに機材を突き詰め、万全の準備をして挑みたいと思います。
スペシャライズド幕張としても、グラベルの魅力を体現する舞台として、グループライドが充実して楽しめるこのグラベルクラシックやくらいに、皆んなで参加を計画していきます!


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