TARMAC SL8 インプレッション

  • 公開:2023.07.26
  • 更新:2024.07.30

スペシャライズド福岡の加藤です。

今最注目のスペシャライズドの”TARMAC SL8″

8月18日の発売に先駆けて8月上旬に群馬県の嬬恋で行われた試乗会へ行ってまいりました。

バイクの詳細はこちら→ https://zing.iwaisport.co.jp/news/archives/227

TARMAC SL7

すべてを征す一台として登場し、エアロ性、軽量性、ライドクオリティ、それらを高い次元で有していたTarmac SL7。

世界選手権やグランツールなどビッグレースで数々の功績を残し、その高い性能を示してきました。

それだけに新しいモデルは、その性能を越えることができるのだろうか、

試乗前にそんなことを思っていましたが、全くの杞憂に終わりました。

S-Works Tarmac SL8 Di2 size54 サドル高は710mm

今回、試乗したバイクはS-Works Tarmac SL8のフレームセットに、コンポーネントはシマノDura-Ace R9270 Di2、ホイールはRoval Rapide CLX 2を搭載。

そしてハンドルにはステム一体型のフルカーボンハンドルRoval Rapide Cockpit、クランクには4iiiiのパワーメーターを搭載し、重量はペダルレスで6.6kgを達成。

私が試乗したバイクのサイズは54(身長の目安:170cm〜175cm)でサドルの高さは710mmにセット

54サイズの完成車に付属するハンドル/ステムのサイズは幅420mm/長さ100mm

クランク長は172.5mm、サドルはS-works Power Carbonの幅143mmでした。

乗り出して最初に感じたのは、ペダルがスルッと回る軽いフィーリング。

SL7にも感じたものですが、SL8の方がほんの少しだけ軽い印象があり、これはフレームのリアセクションに、Aethos(エートス)の技術が入っているからではないかと思います。

そしてパワーを上げていった時の剛性感は、スプリンターの使用も想定しているだけあって、力を逃さずグイグイと進んでくれます。

高剛性で脚への疲労が溜まりやすい硬い味付けではなく、必要な部分だけ硬くして、そうでない部分はスムーズなペダリングへと導くしなりが持たせてあると感じました。

そのしなりがまた絶妙で気持ち良く、次へ次へとペダルを踏みたくなるとともに、脚が消耗してきた場面でもペダルを回す助けとなってくれそうです。

また、ライダーの脚質によって分かれる点かもしれないが、私がSL7に乗った時、ギアを重めにした乗り方をすると脚の消耗が早い印象がありました。

新しいSL8ではその感覚が薄くなっており、重めのギアをかけたペダリングはじめ、軽めのギアで回していくようなペダリングも広く受け入れ、様々な方にマッチしやすくなったのではないかと思います。

次にエアロ性能については、SL7から大きく向上し、エアロに特化した設計のVENGEも上回るものとなっています。

その性能を感じたのは、フラットな道で巡航している時にサイコンの数値を確認すると、出しているパワーに対して思ったよりスピードが出ていると感じました。

また試乗で走ったアップダウン(1km上っては1km下るような)道では、上り返しでの失速感が少なく、エアロ性能とバイクの軽さが生きていると感じました。

また、前走者がいる状態で上り返しに入ってみると、自分のスピードが落ちにくいことによって脚を止めている時間が長く、また油断すると車間が詰まりすぎてブレーキが必要になったり、横に並びそうになるシーンもありました。

そして、下りの場面ではふとサイコンを見ると「いつの間にこんなスピードに」と感じることや、ギアがいつの間にか1番重い組み合わせ(52×11)に入っており、もう少しギアが欲しいと感じることも多々ありました。

細身になったシートステーとチェーンステー

Roval Rapide Cockpit

乗り心地はシートステーやチェーンステーなどを細くしたことによって、SL7と比較して6%の向上を達成。

数値的にはわずかのように感じますが、乗ってみると思った以上に良くなっていると感じました。

そしてハンドリング性能は定評のあったSL7から変わらず、ニュートラルな印象です。

反応も良く、かと言って切れ込みすぎることもなく、意のままに狙ったラインを走ることができました。

今回の試乗ではハイエンドのS-Works以外に、セカンドグレードの「PRO」も試乗することができました。

使用されているフレームはS-Worksと形状、ジオメトリ、ハンドリング性能の目標を同じに設計し、使用するカーボンのグレードを下げることでコストダウンを実現しています。

ちなみにフレームの重量は780gとなっており、S-worksと比較して約100g増となっています。

乗り比べた感じですが、S-Worksに近い性能を有しているだけに違いを見つけるのがなかなか難しいところでしたが、加速感には違いを感じることができました。

S-Worksははっきりとスムーズに加速していくのに対し、PROは少しだけゆったりしているように感じました。

しかしそれ以外には明確な違いを感じることはなかったので、S-Worksと同じエアロ性能を持ち、他社のハイエンド以上の軽量性を備えたPROは、非常にコストパフォーマンスが高いバイクに仕上がっています。

Tarmac SL8 Pro e-tap size54

Tarmac SL8はこれまでより高い次元でエアロ性と軽量性を両立しており、より速く、そして乗りやすく、また多くの場面で助けとなってくれるバイクになっています。

レースをターゲットにしたシリアスなライダーから休日ライドを楽しむライダーまで、多くの方々にとって強い味方となってくれることでしょう。

新しいTarmacが気になる方は、加藤まで気軽にお尋ねください。

またSL8と相性抜群のステム一体型ハンドル”Roval Rapide Cockpit”は、一般的なステムとハンドルが別々の構造ではないため、最初のサイズ選びが非常に重要となってきます。

当店で提供しているフィッティングサービス”RETUL FIT”では、フレームはもちろん、使用するハンドルやステムについても最適なサイズを確認することが可能です。

サイズ選びやバイクのポジションに不安がある方は、ぜひご相談ください。


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